株式会社Flucleの合宿記事ファンの皆さま、お待たせいたしました。
合宿記事担当の本田です。

合宿記事も7本目。毎回めちゃくちゃ悩むため30本くらい書いた気がしますが、まだ7本目。地味に大変な業務ですが執筆に対するリターンは大きく、なかなか手放せません。

さて、合宿も7回繰り返すとさまざまな変遷が生まれます。初期は「ベンチャーは自然の中で合宿したらいいよね!」なんてドヤ顔で執筆していましたが、今回はまさかの「窓のない研修施設」からお届けすることになりました。大人の事情です。お察しいただき、写真が暗く「黒め企業の謎研修」のようなビジュアルが多めになること、あらかじめお許しいただければと思います。

過去の合宿記事はこちらから

https://flucle.co.jp/archives/category/camp

合宿テーマは「強い会社になる」

2023年11月某日、総勢15名が大阪市内研修施設に集合しました。

フルリモート組織のため数か月ぶりに顔を合わせるメンバーも多く、 いつもなら窓から見える自然や青空に気持ちをゆるめながら、コーヒー片手に「おっ!久しぶり!」「朝何時に出た?」などの談笑が各所で生まれるのですが・・・

暗い・・・会場が圧倒的に暗いんです。

半地下で、窓はあるものの外の景色は一切見えません。
研修に必要な設備は問題なく揃っていますが、「日差しと非日常感」に著しく欠けています。

そのせいか、会場に入ってくるメンバーも全体的に「あ~・・・ ・・・ おはようで~す」くらいのテンション。キャッキャしたムードはかけらもありません。環境が雰囲気に与える影響は甚大です。果たして2日間のプログラムはスムーズに進行できるのでしょうか。

スライドの「強い会社になる」というメインメッセージも、どうも暗い。いっそ「世界征服をする」の方が、半地下集団にふさわしい気がします。

2023年、Flucleは労務×テクノロジーのリーディングカンパニーとして大きな決断をしていました。既存サービスをより充実させるだけではなく、AI開発に着手し、全社一丸となって「まだ誰も使ったことのないサービス」を生むことに時間を使いました。

しかしこの秋合宿の段階では、開発も中盤。先の見えない戦いを強いられており、やるべきことは積み上がっていますが、果たしてそれが目に見える成果につながるかはまったく未知数の状態です。

だから会場が暗いとかどうのとか、いってられない。やり遂げる力と、何が来ても揺るがない、もしくは柔軟に対応できる強さを身に付ける必要がありました。

新しい取り組み「フィードバック文化」

代表から会社の現状と方向性の説明を受けたあとは、1日目のメインプログラムが開始されます。

全社員が一堂に会すせっかくの機会ですから、単なる会議だけではもったいない。というわけで、部署を超えての共通言語、会社カルチャーに関する時間に突入です!

合宿に当たって、Flucleの組織デザイン全体像が共有されました。

1年前の合宿では「皆でバリューをつくろう」というテーマの元、ゼロから自分たちのバリューを考えていました。そう考えると1年間でカルチャー施策も随分進化しています。特に、新たに人事ポリシーが制定され「Flucleで働く人に求められる資質」が言語化されたことは大きなトピックでした。

そして今回の合宿では、世界征服する・・・じゃなかった「強い会社になる」ための第一歩として、新しい取り組みがはじまりました。それは「フィードバック文化」をつくろう!です。

どうやら世の中の「強い会社」はメンバー間でのフィードバックが活発であるらしい。その背景や定義を書いていくと記事が進まないため割愛しますが、Flucleも先人のノウハウを生かすべく、合宿で全員で学んでいきます。

言いたいこと、言えてるかい?

そもそもFlucleには「言わないは悪」という文化が根付いています。後出し禁止。思ったら言葉に出す。なかなか難しいことですが、日常の会議でも全員が意見を出すことが求められています。

そんなFlucleでも、やっぱり「思っていても言えない」があることは事実。
合宿では、まずは現状把握からスタートしました。

「風通しがよい」と評価されることの多いFlucleですが、「今の私たち、ちゃんと意見を言い合えてる?」ということについて改めてワークで話し合ってみると、さまざまな意見が飛び出しました。

これは実はすごいことです。これまで世界征服をたくらんできた組織では「トップダウン」「上司の命令が絶対」が当たり前で、「恐れながら申し上げます」など発言しようものならスパッと首が飛んでいたことでしょう。しかし新時代の世界征服にそのような空気は不要。フラットに気付きを伝え合うことで組織全体を強くしよう、という目論見ですから、上司への忖度などいりません。

もしかして、これまで世界征服を達成できた組織が現れていないのは、その組織にフィードバック文化がなかったせいかもしれません。

実践!フィードバック

ランチタイムを挟み、プログラムはどんどん進みます。
(レストランは照明と内装のおかげか、ワーク会場よりも明るく感じます)

もりもり食べて、また半地下に集合!

午後もみっちり「フィードバック文化をつくろう」のワークが続くのですが、息抜きプログラムも差し込まれました。今回は合宿初参加者は1名ということで、メンバーの大きな変動はありません。それならいっそ、いつものメンバーにもっともっと深く突っ込んでみよう!という趣旨で、眠気覚ましの「イツメン深掘りワーク」行われました。

各チームでお題に合わせてアイデアを出していくのですが、このようなワークでは社長はオブザーバーとして扱われ、ワークメンバーには入りません。そのタイミングでちょうどコーヒーポットの差し入れがあり、「自発的にコーヒーを配り始める社長」の姿を見ることもできました。

その後は、はいよいよフィードバック実践編!

フィードバックとは、相手の行動に対して改善点や評価を伝えるための声かけ。
目的はあくまで相手の成長を促すことです。

◆上司が部下にするものを指すわけではありません。
◆どのような立場の相手であっても、フィードバックは双方向で行われます。
◆日頃の業務指示、気持ちの表明、相談はフィードバックには含まれません。

【フィードバックではないもの一例】
「問い合わせの対応、今日中にできますか?」(業務指示)
「今日のランチは大勢で楽しかったね!」(気持ちの表明)
「会議の時間を変更したいんだけど、調整可能かな?」(相談)

えっ、本当にマネージャーや社長にもフィードバックしていいの!?
もちろんどうぞ、どうぞ。

各自、シートを手に歩き回り、「自分にフィードバックをもらう」「誰かにフィードバックをする」機会を求めてどんどんペアをつくっていきます。

相手が誰でも構いません。
意外と全員、ガンガン突っ込んで行きます。

実はワーク担当者は、ちょっとヒヤヒヤしていました。

いくら日頃から仲がよい会社だといっても、急に「日常的にフィードバックしあえる体制をつくりましょう」ということに対してはネガティブに捉えられるのではないか・・・実際やってみたら思うように進まず、「あれ?私たちって結局こんなもん?」という雰囲気になってしまうのではないか・・・。

しかしそれは杞憂に終わりました。

ワーク会場は熱気に包まれ、「思ったよりできた」「すでに日頃からやっていることでもあった」「言われるより、言うことが難しい」などなど、新しいコミュニケーション手法に対する新鮮な意見が集まりました。

そして「気付いたことはきちんとフィードバックする」ためには、信頼関係がベースになければ難しい、ということも全員で認識できました。

「あなたの〇〇な行動は直した方がいい」というシンプルな意見がなぜ言えないのか。それは自分の中に「相手が受け止めてくれる」という信頼と、「この意見は相手を成長させる大切なひと言だ」という自信がないからです。

これまでFlucleで大切にしてきた相互理解、コミュニケーションの下地があったからこそ、大きなハレーションなく、フィードバックを伝え合ってみようというワークが有意義に終わったと思っています。

レストランで夕食を食べたあとは、お決まりの懇親会です。ワークに集中して疲れた頭を、やわらかーい話題とドリンクでほぐします。飲みの場ではないとなかなか聞けないエピソードや、メンバーの過去の話・・・ワークのようにテーマが決まっていなくても盛り上がるのが、こういう場のいいところですね!

ちなみに懇親会会場も、ワークと同じ半地下の部屋でした。楽しい場ではありましたが、やっぱり「研修施設感」がぬぐえません。今思うといっそのことライトを暗くして蝋燭を灯し、ダークな秘密会議風にアレンジすればよかったかな、と思っています。

2日目、ロープレで熱を上げろ!

どっぷりと会社カルチャーについて考えた1日目とガラッと変わり、2日目は事業系プログラム!

準備中の新規事業の「商談ロープレ大会」が開催されました。

日頃から商談に出ているセールスチームのメンバーがうまく話せるのは当たり前。しかし、これから新プロダクトをリリースして世界征服を目論む以上、社外に説明できるメンバーがセールスだけに限られていては圧倒的不足!
というわけで全チームが入り乱れてロープレを行ってみます。

セールス役に当たったメンバーは、顧客役からのあれやこれやの質問に答えたりかわしたり、クロージングに持ち込んだり・・・。持っている前提知識もまちまちですから、「そういう切り返しもあるのか!」と目からうろこの回もあり、オーディエンスは手に持ったボードにフィードバックを書き込みながら聞き入ります。

特に開発系チームのロープレには「作り手目線」かつ「こだわりポイント」などが詰め込まれており、新鮮でした。


会うから描けるロードマップ

ロープレでひと汗かいたあとは、いよいよ最後のプログラム。毎回恒例、チーム単位でのKPTワークです。全回の合宿(半年前)からの会社の動きを振り返り、今から半年間のアクションに落とし込んでいきます。

自チームだけのアクションでは片手落ち。それを全社の動きと有機的に絡み合わせていく必要があるため、書いた付箋はチーム単位・月ごとに並べていきます!

他チームメンバーからは「これ手伝えるよ!」「これ一緒にやりましょう」というコメント付箋も足されていき、 今回も壮大なロードマップが完成しました。

全員の思考を具体化し、あえて手触り感のあるアウトプットに落とし込むことは、リモートワークではなかなかできません。年に2回の合宿だからこその成果です。果たして半年後、思い描いたロードマップはどこまで現実となっているでしょうか・・・。

今までの合宿で一番非日常感に欠ける、「半地下の研修施設」で開催された合宿。しかしメンバーの静かな熱気が、2日間のプログラムの充実度を上げてくれました。

強い組織はあくまで手段。
その先にある「ビジョンの達成」こそが、
私たちにとっての世界征服への偉大な一歩。

これからリリースするいくつものサービスが大きな根を張り、
地上のすべての人に届きますように!


お疲れ様でした!


お読みいただきありがとうございました。

2023年はこの合宿をメディアに取り上げていただく機会もあり、続けてきた合宿が会社カルチャーとして認知されつつあることに自信を持てた年でもありました。

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事業サイズも人数規模も大きくなっていきますが、今後も「Flucleの合宿、いいよね!」っていっていただけるよう取り組んでいきますので、 引き続きよろしくお願いいたします!