株式会社Flucleの合宿記事ファンの皆さま、お待たせいたしました。
合宿記事担当の本田です。
さて、皆さんの会社には「経営理念」や「ミッション・ビジョン・バリュー」はありますか?
私たちもミッション・ビジョン・バリューを決め、各人が行動できるよう、絶賛取り組み中です。
先人たちが口を酸っぱくして「ミッション・ビジョン・バリューは大切だ」「ビジョナリーカンパニーを目指せ」と教えてくれていて、方法論も手に入る。私たちもミッション・ビジョン・バリューを成長の礎にして歩み、成功企業の仲間に入れてほしい。
でもそれって、相当に難しくないですか!?
ミッション・ビジョン・バリューなんてカッコつけた呼び方してますけど、要するに「昭和の社長室セット」の必須アイテム、「信頼 誠実 笑顔」とか「お客様とともに歩む」とかが筆書きされている額縁と目的は同じわけです。
多くのいにしえの企業でも「よし!いいのができた」と経営層が意気揚々と額縁を掲げ、唱和し、社員手帳に記載されたことでしょう。
では額縁を掲げたすべての企業が「ビジョナリーカンパニー」として一時代を築けたか。そうではありません。恐ろしいことに、ミッション・ビジョン・バリューは掲げたその日、その瞬間から形骸化に向かい始めるのです…!
2023年の春。一秒ごとに砂となり消えていく脆くはかないミッション・ビジョン・バリューに向き合うべく、株式会社Flucle恒例の合宿が行われました。
過去の合宿記事はこちらから
https://flucle.co.jp/archives/category/camp
1日目の朝は、合宿委員会の用意周到な気配りから
どんより曇り空の中、舞洲のホテルの会議室に集まったのは、初参加者3名を含む総勢18名。
朝早く先乗りして準備をしてくれるのは「合宿委員会」の面々です。
株式会社Flucleには「気持ちよく働ける環境の維持」を目的にした委員会制度があり、オフィス美化などの担当が割り振られているのですが、中でも合宿委員会はこのビックイベントを仕切る重要な役割を担っています。
ノウハウは半期ごとに継承され、合宿のたびに「しおり」が作成されます。全国から集まるメンバーが快適に参加でき、かつ1秒でも無駄が出ないような用意周到な気配りが隅々にまで行き届いています。
(このノウハウは売れる…)(いざとなったら…)
などと考えつつコーヒーを飲み、テキパキとした開始準備を眺めているうちに準備完了、いよいよ春合宿のスタートです!
合宿テーマは「全員でビジョンをつかめ!」
2023年の春合宿の焦点は「ビジョン」でした。
「ミッション」は全員が共感している概念で、会社が存続する以上不変です。また「バリュー」は全員の行動に直結するものではありますが、日々に浸透させるべき行動指針であり、運用開始から半年間で、程度の差こそあれ意識できているチームやメンバーが可視化されつつありました。
しかしビジョンはどうも存在感が薄い。おそらく正確に記憶しているメンバーも少ない。事業計画の達成に最も必要な指針にもかかわらず、ちょっと埋もれていっていないだろうか…?
これはもしや、すでに「額縁化」しつつあるのではないだろうか…??
その課題が発見されたのは、1on1や組織についてのヒアリングの場でした。
「バリューは自分たちで決めたし、意識しているけど、ビジョンが抽象的すぎて覚えられない」
「三田さんからビジョンの話を聞いた日は『頑張ろう』と思えるけど、その温度感が持続しない」
リアル!
リアルです!
昭和の額縁たちにもこの生々しい声が届いていれば、もしかしたら世界的なビジョナリーカンパニーが日本からもポコポコ生まれていたかも知れません。
現在の株式会社Flucleは「最適な労務管理で、すべての人に安心を」というビジョンを掲げています。ビジョンはそのときの事業やステージで変わりますが、既存サービスでPMFを達成するまではこのビジョンに集中する必要があります。 企業におけるビジョンは単なる「展望」や「未来像」ではなく、事業に直結する最重要項目なのです。
というヘビーなプログラムに入る前に、お互いを知るアイスブレイクタイムです。
今回は「カップ裏返しゲーム・お絵描き伝言ゲーム・写真カルタ」が用意されました。リモートワーカーが多く、日頃はSlack上でしか交流機会がないため、このような親睦も合宿の目的のひとつです。
ちなみに「アイスブレイク」は毎回、入社歴が浅い(合宿初参加)のメンバーが、先輩社員のサポートの元に企画、準備、運営、ファシリテーションまですべてを担当します。毎回ハイクオリティでスゴいんです…!
日頃はオンラインでしか話さないメンバーや、初顔合わせのメンバーも多いため、ランチも貴重な雑談タイム。自己紹介や近況報告でメンバー間の凝りをほぐし、午後のハードなメインワークに備えます。
午後はがっつり、ビジョンワーク。「持続可能な温度感をつかめ!」
午後、いよいよ今回の合宿のメインワークがスタート。
目的は、ビジョン温度のサステナビリティを上げること!
大きな課題
「三田さんからビジョンの話を聞いた日は『頑張ろう』と思えるけど、その温度感が持続しない」
そこでまずは、「なぜ個々の温度感が違うのか」の深掘りタイムが設定されました。
深掘りには自分の内側から事実や感情を引っ張り出し、フラットに仲間に伝える必要があります。そのスムーズな場づくりのため、初の試みとして「円座ワーク」が導入されました。
円座でそれぞれの価値観を共有し、「共感できる」「何となく分かる」「もう少し理解したい」の3つの札でメンバーの価値観に自分の意見を重ね合わせていきます。
このワークには想像以上に心理的安全性が必要です。もしかして全員が「共感できる」の札しか出さないのではないか…と危惧しつつ実施しましたが、シーンによっては「何となく分かる」「もう少し理解したい」の札もパラパラと上がります。
他人の価値観をすべて受け入れることなどできません。だから自分の価値観とのギャップを把握し、「どうして?」「なるほど」という対話を繰り返すことが大切だと、私たちは考えています。
ビジョンは唯一無二のもの、だからこそ仲間が増えていく
ビジョンを決めた人(代表:三田)がビジョンの温度を高く保てているのは当たり前です。しかし会社はチーム戦。同じ温度感を維持できるメンバーが多ければ多いほど、ゲームを先に進めることができるはず…。
でもいくら「この会社で頑張りたい」「このメンバーと働きたい」と思っていても、突然に「ビジョンはこれだよ」と伝えられて100%自分ごとにできる人はいないのです。というか、いてはいけません。
「経営者の目指す展望や世界観」は、その経営者が生み出す唯一無二のビジョンであるからこそ、ともに進みましょうという仲間が生まれ、人を動かし、事業を尖らせることができるのです。
全国からメンバーが集まる合宿は、このような目的があるときに威力を発揮します。
ビジョンすり合わせワークのあとは、それぞれがビジョンに沿った事業戦略を自分の言葉で語れるかをチェック!
「会社の広報担当者になりきって、VCと記者に事業戦略を説明するワーク」が大盛り上がりしました。
メンバーへのサプライズ!代表から振り返りと感謝を伝える時間
今回は「合宿のしおり」に掲載されていないサプライズが仕込まれていました。
合宿直前には大きな機能リニューアルが行われており、実は、主要メンバーは合宿の日はヘロヘロ。そんな中、せっかくリアルに顔を合わせるのだから「ねぎらい合って、皆で認め合う時間をつくってはどうか」という意見がこっそり上がり、「それいいね!!」ということで水面下で準備が進んでいました。
いつもはなかなか褒めないことで有名な代表の三田が、ひとりひとり「プロジェクトで何を背負い、何を成し遂げてくれたか」の振り返りとともに、感謝の言葉を伝えていきます。照れあり、笑いあり、涙ありの時間となりました。この時間、たまにはいいですね!!!
(メンバーには初めて明かしますが、三田さんはひとりづつ原稿をつくり、前日からそわそわしていましたよ)
(記録保管フォルダに動画が上がっています。ときどき見返してみてくださいね)
一緒に肉を焼けば、何とかなる
サプライズタイムのあとは、そのポジティブな気持ちをそのままバーベキュー会場へ持ち込んで、盛大に乾杯&火起こしです。
なかなか火の付かない炭と格闘したり、常に誰かがトングを持って焼けた肉やシーフードを運搬したり、何も決めていないのにサクサクとテーブルが充実していく様子は、「2か月に一回しか顔を合わせないリモート組織でも、チームワークは自然発生するのだな」という事実を確認させてくれます。
合宿懇親会を担当するメンバーが工夫を凝らしたサイコロトークを用意してくれており、爆笑続きでバーベキューは終了。その後は室内で任意の飲み会があり、1日目が無事に終了しました。
2日目
前日の曇天と打って変わって、晴れやかな青空が広がった2日目。朝食を食べた後は、マネージャー陣は会議室で「マネージャーサミット」という定例の集まりへ。それ以外のメンバーは、野外で散歩しながらの交流ワークです。
2日目が晴れて、本当によかった!
大阪市内といえど、せっかく海の近くに来ていますから…。
ちなみに今回のマネージャーとマネージャー以外に分かれたワークは、それぞれが自主的な内容で組まれており、代表の三田はどちらにも参加させてもらえないという扱いを受けました。
全社合宿というと、「会社が主体となり、社員を参加させるもの」と思われる節がありますが、株式会社Flucleの合宿は逆なのが特徴です。費用は会社が持つものの、施設探しから企画、準備、当日の運営から退去時の後始末までを合宿委員会が行い、各ワークは適切なメンバーに割り振られていきます。
組織づくりのための一大イベントが社員主体で開催され、社長に「適当に散歩しておいてください」と告げて勝手に密度の高いワークを実行できる組織……これは自慢してもいいのではないでしょうか!?
「やっぱり、いざとなったら合宿ノウハウを売って危機を乗り切ればいいんだ。このメンバーと!」
改めて確信です。
ビジョンの温度は上がったか
最後は会議室に戻り、各部署ごとに半年間の
K(Keep)
P(Problem)
T(Try)
を書き出し、アクションプランに落とし込みます。恒例のラストワークですが、今回はいつもと違いました。書き出すだけではなく、「他チームが書き出したTryの優先順位を当てにいく」という、ヒヤヒヤするゲームが仕込まれていました。
これは
「ビジョンに対する行動の優先順位を理解しているか」
に加えて
「他チームのリソースや注力ポイントを理解しているか」
という視点が必要な、めちゃくちゃ難易度の高い、しかしめちゃくちゃいいワークでした。自チームのKPTを付箋に書き尽くしたあとは、ペアとなるチームの付箋を吟味したり、情報を求めてうろうろしたり…。
順位も競っていたため、ワークは白熱。当たったチーム、はずしたチーム。とにかく、2日間に渡って「私たちのビジョン」を考えた結果をアクションに落とし、他チームを巻き込んで進めていくための温度感をポッと上げることができたラストワークとなりました。
そして最後は各チームでアクションプランを立て、30時間にわたって行われた春合宿が無事終了。
さてさて…
今回の合宿で、ビジョン温度はきちんと持続可能になったのか。
数値化できない指標に対して、どれだけアツく立ち向かえるのか。
その答えは…
おそらく、事業の結果となって現れるはずです。
答え合わせは、未来の自分たちへ託して。
お疲れ様でした!
お読みいただきありがとうございました。
相変わらず、採用面接の現場では「合宿記事」の認知度が異様に高く、細々と続けてきた合宿が会社カルチャーとして認知されつつあることにちょっとした感動を覚えております。
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多彩なスキルや価値観を持つメンバーがどんどん増えておりますが、引き続き「働くをカラフルに」を体現した組織とサービスを目指してまいります。引き続きよろしくお願いいたします!