前回の経営合宿記事から、1年以上が経過してしまいました。

株式会社Flucleの合宿記事のファンの皆さま、お待たせいたしました。合宿記事担当、広報の本田です。

採用の現場で「合宿の記事読みました」といわれる度、書いてよかったな〜と感じます。

経営合宿は、株式会社Flucleのカルチャーを体現する行事です。しかし入社してから合宿があると聞かされては、きっと驚きますよね。反射的に「行きたくない」と思う方が多いはずです。だから合宿記事を読んだうえで「応募しよう」と思って下さる方は、その段階で55%くらいカルチャーフィットできています。

また最近は、ユーザーからも「楽しみにしています」というお声をいただくようになってしまいました…。重要任務!

この記事では、2021年の春と秋に行われた2回の経営合宿の報告をいたします。春合宿はコロナ禍の真っ最中でもあり、不安定な中の開催となったため直後の記事公開は避けておりました。しかしせっかくの開催を「失われた合宿」として過去に葬り去るのはいかがなものかと思い、ここに記しておきます。

2020年秋の合宿記事はこちら

2021年5月 〜妄想の春合宿〜

毎度毎度お世話になっている、大阪北部の滝の近くで開催された春合宿ですが、特筆すべきは参加人数が増えたことです。

昨年秋の7名から、3名増えて10名での合宿となりました。もはやいつものリビングスペースでは追いつかず、付箋も模造紙も広げることができなくなり、スケジュールのほとんどは初めから和室で行われました…。

そう、2021年は一気にメンバーが増えた年。1年前はゼロだったエンジニアだって、2名参加しています。
だから、初心に戻ります。

株式会社Flucleの創業の想いは?
それから、「働くをカラフルに」というスローガンに込められた意図は?

合宿前半は会社のミッションや、向かうべきところを再確認。旅の道連れが増えてきたら、その都度、一緒に地図を広げて現在地と向かう方角をシェアする。とても大切な時間ではないでしょうか。

PMFの源泉は妄想力?

現在私たちは、HRbase PROという社会保険労務士の先生向けのプロダクトを開発・提供しています。

2021年の春合宿は、そのプロダクトをリリースしてまだ2カ月弱! 手探りで世に出したサービスのどこを改善し、どうやってユーザーに届けるか…そしてどうやってPMFを達成していくか…システム開発・労務開発・マーケ・セールス・CSの全員で話し合います。

と書くと、何だかものすごい生産性の高い会議のように聞こえますが、正直この時期はひたすら妄想でサービス構築を進めていました。

HRbase PROは今までにない思想観のクラウドサービスです。労務管理系のクラウドには業務効率化や手続系が多いのですが、HRbase PROはその対極の「労務相談をはじめとする顧問先とのコミュニケーション」に特化したサービスを目指しています。

新しい価値提供での問題は「見本となるサービスがないこと」。これは地味に辛いです。先行サービスの背中を追いかけるのではなく、手探りで道をつくっているような状況です。

だから

「ユーザーはこう行動する(のではないか)」
「ユーザーのペインはここ(にあるのではないか)」
という妄想力だけが、拠りどころ。

2021年の春合宿を思い出すと、延々と

「私たちのサービスを喜んでくれるのは、こんな性格のユーザー(ではないだろうか)」
「これくらいの規模の事務所に使ってもらえる(気がする)」
「こんなコンテンツを提供したらよい(のではなかろうか)」

といった妄想に時間を使っていた気がします。

2021年前半において、24時間の間にこんなにも社労士業界について妄想をしまくったのは、日本で我が社だけであると断言できます。


夜は寝ろ!

またこの合宿から、「24時には就寝すべし」という方針が採択されました。これまではリビングに誰も居なくなるまで自由なコミュニケーションが行われていたのですが、前回の合宿の2日目のパフォーマンスが余りにも悪かったため、合宿ファシリテーターからかなりキツイお達しが出され、なんと皆が24時には部屋に引き上げるという快挙が成し遂げられます。

のんべえの身からしては少し物足りないのですが、確かに2日目の地獄を回避するには寝るしかありません。そしてこれは、未来のメンバーにとってもいいことでしょう。

2日目

2日目の朝は、有志による恒例の滝ハイキングです。

ちなみに「合宿初参加者は否応なしに滝ハイク参加(2回目からは任意参加)」という暗黙のルールがあるのですが、初参加の労務開発メンバーが二日酔いで途中でダウンしたことを記しておきます。

滝ハイクと朝食の後は、前日の妄想を行動計画に落とし込む作業が続きます。どんなに大きな夢を描いても、手元に引き寄せられていなければ意味がありません。

そう、まだPMFを達成できていない小さなベンチャーにとって必要なのは「妄想力」だけではなく「実務遂行能力」。妄想を現実化するには、現場が手を動かさなければいけないのです!

こうして、気力体力を振り絞って

「妄想を元にしたペルソナ」
「妄想を元にしたカスタマージャーニー」
「妄想を元にしたサービスブループリント」
「妄想に沿って立てた行動計画」

を下界に持ち帰った私たちでしたが、果たしてその妄想を現実にすることはできたのでしょうか…

⇩秋合宿に続きます⇩

2021年11月 〜確信の秋合宿〜

季節は進んで、秋。
ななななんと!合宿の参加人数が16名になりました!!

すごい!!

もう和室にはおさまりきれません。ついに憧れの大講堂を借りての開催です。

小さな会社ですから、全員がコアメンバーです。しかし日頃はリモート勤務のメンバーも多いため、このように一同に会すのは本当に初めてのことでした。

まずはセールスチームによる業界勉強会が行われました。労務業界という「分かりにくい」マーケットで勝負をかけるためには、メンバー全員の業界理解が必須。 またユーザーのインサイトを考える時間では、「HRbase PROが業界に提供できる価値」を徹底的に考え抜きます。

ここで前回の合宿との違いが浮き彫りになりました。

サービスリリースから数週間しか経っていなかった春合宿と違い、8か月間を経過しているからこその「実データ」「実際のユーザーの声」を元に、インサイトに向き合うことができています。

「肌感なのですが…」「ジャストアイデアなんだけど…」の意見も、妄想ではなく事実ベースから生まれたもの。これはスゴイ!

そう、秋合宿は「成功も失敗も含めた、確信の合宿」となりました。

「ユーザーはこう行動する(のではないか)」
「ユーザーのペインはここ(にあるのではないか)」
「私たちのサービスを喜んでくれるのは、こんな性格のユーザー(ではないだろうか)」
「これくらいの規模の事務所に使ってもらえる(気がする)」
「こんなコンテンツを提供したらよい(のではなかろうか)」

という半年前の妄想に、それぞれ結果が付随し、「合っていた」「ズレていた」「引き続き検証が必要」というジャッジができるようになっています。

そしてやっぱり、実現できていた妄想に対しては「おお〜!!やってみてよかったね!」という称賛の声も上がります。手探りでもやってみることの価値が浮き彫りになった瞬間です。


ブランドって何だろう

1日目の最後は「ブランディング勉強会」。疲れ切った頭をほぐすための、柔らかめプログラムでした。

そもそもブランドって何だろう?
なぜ必要だろう?
そして、私たちがつくりたい世界を、どうやったらブランドとして積み上げていけるだろう…?

ワイワイと、口と手を動かしながらの1時間です。

全員の「こんなブランドをつくりたい」が集まり、さまざまな願いや意図が編み上げられ、ユーザーとの約束がブランドとなる日が楽しみです。

懇親は、会社の黒歴史を知ることから

1日目の夕食後は、合宿の懇親会幹事によるハイクオリティイベントがセットされていました。開催まで極秘にされていたため、関係者以外は何をするのか分からないまま、ドリンクを持って集合します。

懇親会はその名も「ドキドキをカラフルに 人生ゲーム」!
会社の歴史がすごろく化されており、仮想紙幣も用意されています。

すごろくには、最近入社したメンバーは知らない創業当初の黒歴史や、そうなのか!という内容が盛りだくさん。

会場はもちろん大盛り上がり。資金調達できるコマを経て、最後に持ち金が多かったチームが勝つのですが、本田と開発マネージャーのチームは早々に大負けして戦線離脱。「金がないと会社経営はこんなにも面白くない…」という真実に気付かされます。お金…だいじ…。

その後は24時まで自由なコミュニケーションの時間です!
おいしいお酒とつまみ、日頃ゆっくり話せないメンバーとの語らいは合宿の醍醐味です。

2日目

朝の散歩に行きたがらない入社直後のエンジニアを引っ張り出し、有志で滝に向かいます。すがすがしい秋の空気、揺れる青もみじ。朝早くからの散策は、自分がとても優秀な人間になったかのような錯覚を与えてくれます。

心身に清浄な空気が満ちたあとは、朝食をいただき、いよいよ2日目のプログラムに突入。

主に、チーム単位に分かれての計画立案、ディスカッションを行い、それを全員で一枚にまとめるという作業が続きます。

各チームの最適が、全社最適とは限りません。だからそれぞれのチームのKPIや課題を見ながら、パズルのように全社で行うべきことを組み合わせていきました。これ、とってもしんどいです。2日目なので体力も削られています。しかしこの計画たちは合宿の2か月後くらいに威力を発揮し、「つくっておいてよかった…」と思わせてくれることを知っています。

つなぎ合わせると、壮大なマップができ上りました。1年前より、メンバーも、タスクも増えています。しかしそれ以上に、やりたいことや実現しそうなことも増えています。あとは、やるだけ。

また、半年毎に更新される「株式会社Flucle 大切なものランキング」のアイデア出しも行われました。

これは各人が会社で働く上で大切にしたいことを書き出すのですが、恐ろしいことに「目標達成」とか「いくら売る」とかという定量的な話があまり出てきません。それより「健康に働く!」「オフィスをきれいに保つ!」という働き方に関することが半数を占めます。

サービス拡充を狙う、賭けどきのベンチャーとしてはのほほんとしすぎな感もありますが、まぎれもなく、これが弊社の社風です。

(仕上がった「大切なものランキング」については別記事でご紹介いたしますね!)

さて今回、16名で何枚のふせんを使ったか、数えていません。
かつては「合宿の主役はもはやふせんではなかろうか」という疑惑も生まれましたが、
今は明言できます。

やっぱり、このメンバーの誰が欠けても、
PMFとその先のユニットエコノミクスの達成はできません

お疲れ様でした!

お読みいただきありがとうございました。社内記録用…と思い、このように書き綴っている合宿記事ですが、求人に応募してくれる方から「読みました!」といっていただく機会があり、書き手としては驚いております。「一緒に合宿に行ってみたい」と思った方は採用情報ページをご覧ください!

いつまでこのスタイルでの経営合宿ができるか分かりませんが、半年に1回の合宿が会社風土を醸成しているのは間違いありません。

多様なメンバーがどんどん増えていきますが、引き続き「働くをカラフルに」を体現した組織とサービスを目指していきますので、引き続きよろしくお願いいたします。