リトリートマニアの皆さま、お待たせいたしました。株式会社Flucleが「人の力を最大化させる」というコーポレートミッションのもとに挑戦しているリトリートレポート、今回は…「リトリートと仕事は両立できるのか 日帰りバージョン」です。
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リトリートと仕事は両立できるのか (6日間に渡るリトリート旅行のレポートです)
その会議、会議室でやる必要ありますか(社内会議を野外で行ったレポートです)
リトリートとは、「隠居・避難」「隠れ家・避難所」の意味を持つ言葉です。またデジタル大辞泉によると、リトリートとは「仕事や家庭などの日常生活を離れ、自分だけの時間や人間関係にひたる場所などを指す」とのこと。
この「日常生活を離れ」という文言からは、ともすれば「山や海・高原などの施設に行くことが目的」と解釈をしてしまわれそうですが、リトリート環境で仕事の成果を出そうと思うなら、その考えはいったん捨ててください。単に自然に囲まれることで生産性が上がるというほど、リトリート×仕事は単純ではありません。
柔軟に!
既成概念を捨てて!
仕事を面白くするために体を張る!
さて今回の行き先は、どこなのでしょうか。
どうやらリトリートにはまってしまったらしい
今回の日帰りリトリートは、この記事の書き手である社員・本田が自発的に行ったものです。2月に社命で6日間ものリトリートを行ってから、どうもリトリート先で仕事をすることにはまってしまったようなのです。
それはリトリート先の仕事で実感した、脳の活性化の爽快感が忘れられなかったから。あの没入感、集中力、自分の感覚が何に触れても反応する甘美で野性的な快感を思い出すと、たまらない気持ちになるのです。
「ああ…毎日あんな脳だったらもっとシャープでハイクオリティな仕事ができるのに」
しかし私は残念ながら、リトリートから戻ると瞬時に惰性に流される生活に戻ってしまう、超の付く凡人。休日はだらけてしまうし、SNS絶ちもできないし、毎日の晩酌も止められぬ、流され現代人。
しかし、流されっぱなしではいけません。ある日、本田は気付きました。
「日帰りでも、リトリート×仕事はできるのではないか?」
前回の6日間に及ぶリトリートでは、脳をリトリート状態にソフトランディングさせるために半日を費やし、丁寧に状態を整えていきました。その結果大きなリターンを得ることができたのですが、短縮バージョンが可能ならば、もっと気軽にリトリートと仕事を両立させられるのではないか…
仮説を立てたら実行です。ちょうど翌日のカレンダーを見ると「アポイントの予定なし」。そんな日は在宅仕事をするのが常なのですが、家でやるよりリトリート先でやる方が効率的なら、そっちの方がいいに決まっている!!
社内チャットに「明日、日帰りリトリートに行きます。緊急以外は連絡しないように」と一報を入れ、いざ準備です。
何をするか・何を持ち帰るか
前回の経験から、リトリート先で仕事の効率を上げて帰るには、「何をするか」「何を持ち帰るか」の明確化が必要不可欠と学んでいました。そのためまずは、翌日に済ませたい仕事の棚卸をします。
結果、今回は作業ではなく「考える」に焦点を絞りました。このところ資料を集めてアイデアの種を探したり本を読んだりと、インプットに特化する日々が続いており、そこで得たものを自分なりに練り上げる時間が欲しいな…というか絶対必要だな…と思っていたからです。
そしてそういう脳内思索ワークを、デスクの前ではできない自分を知っていました。気が散るし、すぐに手が動いてしまう。
そこでまずは、今回の日帰りリトリートのテーマを「絶対に気が散らない環境に自分を追い込み、とことん思索して来ること」に定めました。
テーマが決まったら、次は行き先の選定です。これはまたもや難航しました。朝出発して夕方までじっくり滞在できる、自然に近くWi-Fi環境の整ったリトリート先…
いろいろ検索し、悩み、諦めかけたそのとき。
「スーパー銭湯だ!」とひらめきました。
リトリート×仕事に必要な条件が揃っている
「こいつ、何を考えているんだ…」とあきれる前に、頭を柔軟にしてみてください。
日帰りの「リトリート×仕事」の環境に必要な条件は、こんな感じでしょう。
①いつもの通勤と同じくらいの距離感で、会社とは違う方向。そして公共交通機関で行ける範囲であること。
②朝から夕方のオンタイムにゆっくり滞在でき、Wi-Fiがつながり、ストレスなく食事と仕事ができること。
③目的(今回なら脳内思索ワーク)に適した環境であること。
どうでしょう。スーパー銭湯ならすべての条件がクリアできますよね。もちろん本来は自然のど真ん中に行く方が、脳のリフレッシュには効果的と分かっていますが、今回はあくまで短縮バージョン。そして、考えてみてください。滝の音や新緑の山々の代わりに…「スーパー銭湯にはお湯がある!」
お湯につかるという原始的でナチュラルな行為。湯船はトイレとともに「思索に向いている場」とされ、クリエイティブな脳の作業場として古来より支持されてきました。今こそその先人の教えを受け継ぎ、脳をプリミティブな状態に戻し、存分に考えごとをしてみてはどうか!
さらに、お湯の中では「PC・スマホから完全に離れられる」というのも魅力的です。とにかくデジタルデトックスがしたい本田にとっては、文字通り素っ裸にされ武器を奪われるくらいの状態でちょうどいい。これはもう、脳内思索ワークしかできない究極のデジタルデトックスができそうです。
探すとあった!ベストなスーパー銭湯
唯一の懸念は、がやがやした空間でファミリー層に囲まれて気が散ってしまうことでした。しかし平日の朝イチですし、子どもはいないだろう。とはいえ、なるべく静かな環境で過ごせるほうがいいな…
そして「関西圏 スーパー銭湯」でググりまくって見つけたのは、富田林にある「Books&Spa UGUISU」というスーパー銭湯でした。(施設の宣伝が目的ではないのですが、余りに条件にピッタリでしたので書かせていただきます)
①本田の自宅から1時間15分、程よく郊外で、あまり馴染みのない土地。非日常感も味わえる。
②フリータイムで入館したら好きなだけ滞在できる。当然食事もできるし、Wi-Fiも完備されている。
③お風呂やサウナに入ってしまえば、完全なるデジタルデトックスが可能。とことん「考える仕事」がはかどる。
そしてBooks&Spaというだけあって、リラックスゾーンにはまるでネットカフェさながらに漫画が並び、ゆっくりできそうなクッション性のある「お堀ソファ」やハンモックも完備。PCを使いたくなったらデスクもあるし、口コミには「平日は人が少なくとっても静か」「図書館にいるよう」と、何とも心強い情報が!
日帰りリトリートに必要な条件がコンパクトにまとまったベストな行き先を発見した本田は、翌日に持ち越したくない細かいタスクを終わらせ、ゆっくりと眠りについたのでした。
リトリート先で仕事の効果を出すために、絶対的に必要な条件とは
「実際にお湯につかって何を考えたのか」は、次回の記事で報告させていただきます。
今回、日帰りリトリートで仕事をしてみてつくづく感じたのは、自分の脳のスイッチをいかに早い段階でリトリート状態に着地させられるかがカギ、ということです。
リトリート×仕事では、その生産性向上のための施策の大半を「環境」に委ねます。そこに、お仕着せで用意されたコンテンツは存在しません。つまり「なんかイマイチだったな」と感じて終わったとき、それを講師のせいにも、よく分からない資料のせいにもできず、「イマイチだったのは脳の可能性を十分に引き出せていなかったせい」という残念な結論にたどり着くのです。
しかし「こうすれば→こうなる」というプロットの中に人を押し込め、人がその通説通りに動くことが正解とされている世界の中では、働く人の脳は徹底的に受け身になってしまっています。そう簡単に「はい、お出かけしますよ!いい仕事してね」とはなり得ません。
その受け身ブロックを解くためには、やはり自然が有効です。いつもは会社に着くような時間に木洩れ日と鳥の声に囲まれるだけで、脳がハイスピードで遊び始めるからです。そして時間が経つにつれ非日常の環境に心身が慣れ、どんどん集中力が増し、感覚が研ぎ澄まされていきます。
ところが日帰りのリトリートでは、行き先が大自然とは限りませんし、時間をかけた心身の調整もできません。だからこそ、長期間リトリートよりも繊細な準備が必要であると感じました。
次回は、半日の「スーパー銭湯リトリート」で感じたこと、そのメリットとデメリットを余すところなくレポートします。