株式会社Flucleの本田です。

この記事では、先日の弊社経営会議のご報告をさせていただきます。とはいえ、経営方針の発表や新サービスリリースのお知らせなどでは決してございません。

「まーた、何やってんの」といわれてしまいそうな、もしくはぎりぎりで悪ふざけにも見えてしまいそうな、ちょっとした実験企画の報告です。お時間のある方、ちょっとだけお付き合いください。

 

だってオフィスが天満橋にあるんだもん

株式会社Flucleの意思決定は、週に一度のWEBミーティング、もしくは月に一度のリアルで集まる経営会議で行われます。

リアル経営会議の日は基本オフィスに集合しますが、数カ月に一度のペースで社外に出て会議をすることがあります。今までも「お寺の本堂をお借りして」「宿坊に泊まって」等、場所を変えて行った経験がありました。

そして株式会社Flucleのオフィスは大阪・天満橋にあります。具体的には造幣局の対岸です。

これでお分かりいただけたでしょうか。3月30日の経営会議は、「花見をしながら」というなかなかに大胆かつ冒険心に溢れた環境で行われたのでした。

ことの発端はまたもや代表・三田の一言でした。

彼は対外的には、人事と金を握りマネジメントを得意とする、堅実かつ真面目な人物と受け取られていることが多いのですが、恐らく社内で一番ぶっ飛んでいます。先日、社員本田を6日間も山に追いやり仕事をさせたのもこの三田です。

しかし今回は社内チャットで飛んできた「会議、花見しながらやる?」という三田からのエキセントリックな提案に、社員が飛びつきました。「花見しよう」「社員の総意で!」と乗っかったわけです。

朝10時、天満橋の駅に集合したメンバーは三田の指示に従い
・ダイソーでブルーシートと紙コップ、お茶を入手する
・おにぎりと唐揚げ、三色団子を買い込む
・ローソンでウェットティッシュを追加購入する
というタスクをこなし、オフィスから徒歩数分の絶景スポットへ向かいました。

⇩⇩ちなみに天満橋とは、このような桜並木が延々続く、大阪市内でも有数の桜スポットです。

桜は満開、大川の両岸はモコモコした薄ピンクの花びらで覆われ、並木道を歩く人々の視界を埋め尽くしています。時おり吹く風が桜吹雪を降らせ、完璧な春を演出してくれています。

ああ、大阪に天満橋があってよかった。

 

桜とブレストの深い関係

さて忘れてはいけません。行うべきは経営会議。花びらの隙間から遠く大阪城を望めるベストポジションにブルーシートを広げ、PCを立ち上げて簡易会議室を完成させます。

そして、おにぎりをモグモグしながら情報共有をし、ハムカツをかじりながらのスケジュール確認が進み、唐揚げがなくなるころには定例の各自の週次報告が滞りなく終了。

ここまで、桜の下で会議をすることの弊害は一切見つかりません。何なら楽しい。

オフィスで聞いたら「そうか…何とかしないといけないな」と思うようなトピックスも、「そうか!大丈夫、何とかしよう!」と意欲的に脳内処理できる。これはなかなか良い効能かも知れません。

早めのランチとともに前半の定例アジェンダが終了。少しの小休止があり、後半がスタートします。

この日の目的は何かの議題に対して決定を下す類ではなく、アイデア出しのためのブレストでした。弊社のような小さなベンチャーでは、とにかく「ゼロから何かを生み出す力」が求められます。そして、メンバーのアイデアをカタチ化するためのアクションが生まれ、それが社内を活気付ける原動力となり、事業が生まれていくのです。

そのため今までも散々ブレストは行ってきましたが、桜のアーチの下でアイデア出しをするのはさすがに初めて。

ビールも飲まずにブルーシートの上で車座になり、何かを熱心に話し合う姿は花見客からはどう見えていたのでしょう。まさか、新規事業のためのアイデア出しをしているとは誰も思わなかったでしょう。

(余談ですが、「社会の閉塞感」について問答を重ねる時間がありました。しかし桜吹雪の下で真剣に閉塞感について語り合う経営会議は、日本一閉塞感から遠い環境だな、と今になってそのシュールさに驚いています)

 

会議室が、会議のネガティブさを助長してはいないか?

今回の経営会議で改めて気が付いたのは、「気持ちがいいと疲れない」「自然は最高にクリエイティブな空間だ」という事実です。

思うに「会議室」というのは会議のために作られた空間の割に、会議に適していない要素が詰まっています。

「狭い、圧迫感がある」「窓が開かない、風通しが悪い、空気が澱んでいる」「空が見えない(太陽の動き・雨の様子などが見えない)」という環境で、広がりのある自由闊達な議論ができるわけないのです。

さらにその会議室に「臭い」「じめじめしている」などのマイナス要素が加わると、もはや「わざと人間の脳をスポイルさせ、それから考えろと酷使する」という罰ゲームのような会議が仕上がります。

現代ってそういうの多いですよね。「わざと太る食事をして、痩せるサプリを飲む」みたいなの。

桜の下が最適だ、とは断言できません。しかし会議にある程度のクオリティを求めるなら、まずは人の脳が「ぐぐぐぐ」と正しく駆動する環境の整備が大切だ、とはいい切れます。

そして、空気清浄機が完備された地下の会議室よりも、空の動きと風を感じられる自然空間の方が、遥かに高い価値を生み出します。

 

予定調和の会議は人を疲弊させる

また「ブレストに時間が使える」というのも、実はリッチなことなのでしょう。

今回は会議の前に各自がアイデアをリストアップして持ち込んでいたのですが、そこからじっくりブレストする時間がなければ「そのリストから適当にピックアップして満足する」会議になってしまう可能性もあるわけです。

しかし、そもそも練り込まれてもいない、デスクで書かれた単なるリストに「既存の枠を超えた新規事業の種」はない!

でも、そういう会議も多いと思います。そしてどの意見がピックアップされるかは忖度や政治力で決まり、予定調和で会議は進み、皆が疲弊して会議室を出ていく…。

私も昔、そんな会議に出ていた時期があります。そんな会議があった日はぐったりして、飲みに行くしか翌日への活力を維持できない…。そんな日々を思い出すとヒヤッとします。あの頃は本当に脳の無駄使いをしていたな、と。

もしあなたが予定調和の会議にうんざりしていたり、狭い部屋の中で斬新なアイデアを生み出すことに限界を感じているなら、一度野外でミーティングを行ってみてください。

あなたがマネージャーなら、チームメンバーを河原や高原に連れ出してみてください。「わざわざ疲れる会議をして、その疲れをいやすという名目で飲み会を開く」という謎の悪循環を断ち切ってみてください。

会議の目的は、会議室を使うことではないし、
会議はもっとポジティブでいい。

ですよね!?

 

花見×経営会議 まとめ

実は、もっと眠くなったり遊びたくなったりするかと思っていました。しかし予想以上に集中できるもので、特に気は散りませんでした。逆に次回はバトミントンセットなどを持ち込み、「10分遊んでから集中議論に入る」等を試してみてもいいかなと思っているくらいです。

ちなみに一番きつかったのは、ブルーシートに長時間座っていること。かなりお尻が痛くなりますので、野外会議の際はクッションやキャンプ用の椅子などの持ち込みをおすすめします。

(三田いわく「弁当は経費で出すが、座布団は贅沢品につき自費で」とのことですが、会議のレベル向上のために座布団導入を強く交渉する予定です)

花見×経営会議は決してレクリエーションでも奇抜なネタ作りでもなく、人の力を最大化させたいと試行錯誤するベンチャー企業の、「すぐにできる価値変換チャレンジ」の一環です。

また弊社では、環境を変えることで仕事の質も変えるリトリート研修を提唱しています。今後も実験を重ねていきますので、ゆるく見守っていただけますと幸いです。